岩と修羅

Like a traditional climber

彷徨 金剛岩/裏榛名

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4月9日のお話。

2連休だったので本当は小川に行く予定でいたけど2日目が雨予報、道中も雨と言うことで急遽行き先を変更し群馬の岩場へ。

赤城にするか迷ったものの3秒くらいで裏榛名に決定。
未だ残る雨に恐々としながらコンビニで車中泊

起きたら快晴☀
あれ?山真っ白じゃん…
あの真っ白な山じゃないよね~と思いながら向かっていったらその山だった。やっぱりね。

黒岩P辺りまでは全く問題なしだったけどそこから先はどんどん雪が出てくる。ノーマルに戻してしまった車ではそれ以上進めず断念。平地は大丈夫だからまだ良かったけど、小川行かんくてほんと良かった。

最悪や!ってか山を舐めてた。

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山家なのにすまん

まだ8時前だし、昼には融けそうだけどどうしようか?やっぱり赤城か?とか思ってたら金剛岩の事を思い出した。以前に黒岩通ってた頃はボルダー殆どやってなかったので存在を知らんかった。

善は急げでソッコー黒岩Pへ戻る。ネットの情報漁って目星をつけたらすぐ見つかった。が、雪でアプローチがとても不快。空身で偵察して問題なしなので車から荷物を持って定着。

ドカンとでかい岩が二つあって被ってる。ぐるっと見て、課題とラインを調べて準備する。

アップ課題がない(傾斜の無いところはビショビショ)ので最初からこれ。

千丈 1級
https://youtu.be/70HvAu-Ny8Y

ラインを読み、ムーブを組み立てて、ホールディングを工夫して少しずつ繋がっていく。
途中雪がちらついたりして寒かったけど最高に楽しい時間だった。

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つららさん

ホールドはオブザベ出来てもホールディングがスローパーが多くてしっかり体制を決めないときつい。ヒールやらバックステップやらテクいムーブで組み立てて、何度目かのレストの後に完登。

シークエンスが長いのでリードルートを登っている感覚でリズムを意識した。
登りのリズムも気持ちの入り方もとても良かったなー。

安山岩に対する苦手意識は最近薄くなったかな?


さて、これが登れてしまったので次はあいつか。
連絡を取り合ってたオザーさんもおすすめのこれ。

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もはや神々しい


エリアに着いたとき、眼を奪われたのはこのフェイスだった。

誰かのSNSで見て気になっていた岩は、そうかここにあったのか。

色んな言い訳をして逃げても良かったけど、岩とラインが格好良いんだもん。
やるしかないじゃないか。

長い時間を掛けてオブザベして、いざトライ。
思ったよりホールドは良くて、2トライして上部ガバまでのムーブ確定。

と、言うと聞こえは良いけど、押し切る自信がなかったので降りただけ。でもここまでを安定させられたのは大きい。
飛び降りるのにもなかなかの高さでガバからで足下3m位か。

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覚悟のダイブ


次で登ると決めたのでレスト。
その前に上部抜けを岩の上からチェック。グラウンドアップでトライできるほど強くないし、シーズン初めで苔とか怪しかったのでこれは妥協した。

ブラシの長さで推測するに高さ6~7mくらいかな?
下地が良いのが救い。

日向で寝転がってレストしてたらいつの間にか眠ってた。

起きたらびびりが顔を出しかけたが、その場ダッシュや体操をしまくって無理やり集中する。
オザーさんに教わったドラミングも交えつつ目覚めもアップもバッチりや!

余談だけど、こういうある程度リスクを伴う課題は、いつも捻挫や骨折のイメージが頭に浮かぶ。
何度バラシをしても、集中しようとしても、そのイメージを払拭出来ないことがある。そういう課題は深追いしないことにしている。
果たしてそれは安全管理なのか逃げなのか判らないけれど、とにかく危険な行為そのものが好きな訳ではないってことです。


改めて岩の前でムーブをトレースし、イメージを固める。
上手く集中でき、流れるようにムーブを繋ぐ。
途中で恐怖を感じることはなかったし、ガバ以降は初めて触ったけどムーブが自然に出た。上部はやや左に逃げた感じになってしまったが岩の弱点はやはりここだろう。大木の存在が勇気をくれる。

今までの積み重ねに感謝。
岩の上に立ち、安堵に包まれる。

金剛岩 無名のハイボール 1級
https://youtu.be/kONBNtRoPIE


ところで、このフェースの形から金剛岩と付いたのだろうか?
足元には古い信仰の跡がうかがえる。
猿田彦大社、青面金剛、庚申塚。
"お騒がせしてます"と手を合わせた。

すっかり高くなった太陽が岩の上に輝き、まるでダイヤモンドの様だった。

すっかり満足してしまい、しばしゆっくりする。他の課題を触り始めるもどうにも集中できない。

こんだけ暖かくなったから絶対雪融けたよね!?
やっぱり諦められず、荷物をまとめ、すでに15時を回っているが急いで移動する。

予想通り道には雪がなくなってて、頂いた情報を頼りに駐車場へ。

最初の方で踏み跡を外れたりしつつも朝日の岩とかキャタピラーとか順々に見つけて目的の卓越風の岩へ無事到着。

かっけぇ!
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でも下地にうっすら雪が…
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いそいそと準備して、16時。
色んな事は出来ないから、卓越風のスタンドバージョンに目標を絞ってトライ。

雪融けどろどろ、ソールがいちいち汚れるのが不快。
だが、そんなことには馴れている。

いくつかムーブを試して、小細工なしで出した方がムーブとしては良さそうなので、少しだけレストして4トライ目。

卓越風スタンドver. 1級
https://youtu.be/T00k1-Ql22o

思った通り、しっくりはまって登ることが出来た。上部も足位置の調整で楽にリップが取れて安心した。

思いの外あっさり登れてしまったが、一人の時には日没前に安全地帯まで戻ることに決めているので潔く終了とした。

1時間も居られなかったけど、他にもやりたい課題がたくさんあるので近々また行こうと思う。

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お楽しみの夕食は、毎回お世話になっているオザーさんの群馬グルメ情報笑

高崎市の山木屋
https://g.co/kgs/HXmzu8
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まじでおすすめですわ!
臭いが付いても大丈夫な服装で行きましょう⚠

同じく高崎市内のさくらの湯で疲れを癒し帰路に着いた。

雨(山は大雪だろうが)じゃなければもう一日岩出来たんだけどなー。
天気はしょうがないよね-。

とはいえ、変更に変更を重ね彷徨したのも結果としてはとても良かったことに思える。

群馬、最高ですな🐱